クラックの発生を抑止

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完成後の堤体に乾燥収縮によるクラックの発生を事前に検証するため、フィールド試験および乾湿繰返し試験を実施した結果、安定処理土の供試体は亀裂が発生し崩壊したのに対し、ボンテラン改良土はクラックが生じないため、漏水防止と堤体補強に極めて高い効果が確認されました。

1.フィールド試験
東北大学大学院環境科学研究科高橋弘教授と当社は、安定処理土とボンテラン改良土の乾湿繰返しおよび凍結融解に対する耐久性試験をフィールドで実施しました。
養生228日後(2017年1月17日撮影)には、図:番号3に示すとおり乾湿繰返しと凍結融解による多数のクラックが確認されました。
 
番号
安定処理土
含水比:100% セメント系固化材 55kg/m3
経過
ボンテラン改良土
含水比:100% セメント系固化材 55kg/m3  BF 25kg/m3
1
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2016年
6月17日
設置直後
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2
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2016年
7月17日
養生30日目
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3
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2017年
1月17日
養生228日目
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フィールド試験の結果から、ボンテラン改良土は乾湿繰返しおよび凍結融解を受けてもほとんど劣化せず、極めて高い耐久性が確認され、気象条件による乾湿繰返しや凍結融解を受ける場所においても使用可能であることが明らかとなりました。詳細はこちらをご覧ください。
 

2.乾湿繰返し試験
河川土工マニュアル、平成21年4月、財団法人国土技術研究センターでは、安定処理土の取り扱いについて以下に示す注意を促している。
土質安定処理工法によって築堤した場合、土質、添加材、混合率、混合方法によっては、完成後の堤体に乾燥収縮によるヘアークラックが発生することがある。したがって、室内試験による基礎的な検討(乾湿繰返し試験)を行い、できれば試験施工による検証を行った上で、工法を決定するのがよい。
 
乾湿繰返し試験方法   独立行政法人土木研究所  規定
供試体
乾湿1サイクル
確認項目
φ5x10cm
40℃ 炉乾燥2日
20℃ 水浸1日の合計3日
〇所定サイクル終了後、一軸圧縮試験(JIS A 1216)の実施
〇各サイクルの乾燥後、水浸後の供試体の状況観察、写真撮影
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乾湿繰返し試験のより詳細な比較表はこちらからご覧いただけます。
また、yotubeにて性能比較実験動画も公開しております。ぜひご確認ください。
 

ボンテラン改良土および安定処理土 を用いて乾湿繰返し試験を行いました 。その結果、安定処理土 は 1サイクルの水浸において表面剥離が局部的に発生し 6 サイクルの水浸後供試体全体が崩壊し、片々は塊状。供試体健全度ランクは G と 確認れ、乾湿繰返し耐久性について脆弱であることが明らかとなりました 。一方、ボンテラン改良土は乾湿繰返しを受けても外見ほとんど変化がなく、供試体健全度ランクは A と確認され、極めて高い耐久性を示すことが明らかとなりました 。

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所定サイクル毎の一軸圧縮強さを概観するとボンテラン改良土は設計基準強度 quck=234〔 kN/m 2 〕を各サイクルにおいて、すべて満足してお り、乾湿繰り返しを受けても極めて高い耐久性を示すことが確認されました 。
一方、安定処理土 は室内目標強度を各サイクルにおいて、すべて下回っており、乾湿繰返し耐久性について強度の観点からも脆弱であることが確認されました。

 

安定処理土
 

ボンテラン改良土
 
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 安定処理土の模擬堤防によるクラック発生の状況
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 ボンテラン改良土の模擬堤防 クラック発生無し
 
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 クラックからの漏水、パイピングに発展
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クラックの発生無し 

 

改良土の地震対策 「東日本大震災での施工事例」

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1.液状化の判定
液状化抵抗率(FL)が1.0以下の場合に液状化するものとみなされます。東北大学高橋研究室では、砂質土と砂質土を改良したボンテラン改良土の液状化抵抗率を検討するため、「繰返し非排水三軸試験」を実施しました。
砂質土の液状化抵抗率はFL=0.52 であるのに対し、ボンテラン改良土はFL=4.25であり砂質土の8倍の液状化抵抗率(FL)を確認しました。詳細はこちらをご覧ください。

 
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2. 一軸圧縮試験、三軸圧縮試験
変形に耐える高靭性と、大きな残留強度を発揮
安定処理土は固く脆い性質であるのに対し、ボンテラン改良土は破壊に至るまでに大きな変形に耐える特長を有しています。また、ボンテラン改良土は通常の築堤土と同様に明瞭なピーク応力が現れず、高靭性と大きな残留強度を発揮します。
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一軸圧縮試験における応力-ひずみ曲線
 
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弾性物体のカー変位関係図
 
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三軸圧縮試験における応力-ひずみ曲線
 

耐侵食性

雨水の表面浸食によりガリ(掘れ溝)ができ、のり面の崩壊が生じる場合があります。ボンテラン改良土は長期の降雨を受けても耐浸食性に優れていることが確認されています。
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山砂による路肩盛土のガリ浸食
 
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上流堤体法面の浸食
 
ボンテラン改良土の水際利用(浸食なし)

1. 平常時の水位変動による上流堤体法面の浸食
ため池は自然の湖沼と比べ、かんがい期に放水され、その後、翌年の耕作に向けた貯水のため、水位が再び上昇するなど、人為的な操作により水位が大きく変動するという特徴を持ちます 。そのため上流側堤体法面が浸食されます。

 
砂質土とその砂質土を改良した安定処理土およびボンテラン改良土の耐浸食性(洗掘試験)を評価するため、東北大学大学院環境科学研究科 高橋教授らは、水中噴流試験を用いて浸食試験を実施しました。
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その結果、ボンテラン改良土は、砂質土に対しては約10,000倍、安定処理土に対しては約24倍という極めて高い耐浸食性能を有していることが明らかとなりました。詳細はこちらをご覧ください。
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漏水対策

ボンテラン改良土を遮水性ゾーンに使用する場合は、室内試験を実施して遮水性基準値を満足していることを確認して使用しますが、遮水性は底泥土の細粒分含有量に依存します。ボンテラン改良土は安定処理土と比べて、破壊ひずみが大きく、残留強度と靭性を有し既設堤体との剛性の違いがないため、地震時に既設・新設堤体間にクラックが生じにくく、漏水対策として有効となります。
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加速劣化試験

1. 人工降雨試験
ボンテラン改良土に人工降雨機により50年相当の降雨を与えた後、改良土内部のpHを測定しました。締固めを実施した試料ではセメント添加量に拘わらず改良土内部のpHは11程度となり、高アルカリ環境を保持することが確認されました。
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2. 酸性雨模擬試験
酸性雨によるボンテラン改良土のpH変化を確認するため、約160年分の降雨量に相当する酸性雨を模擬した溶液にボンテラン改良土を7日間浸漬させた後、改良土内部のpHを測定しました 。
締固めを実施した試料ではセメント添加量に拘わらず改良土内部のpHは11程度となり、高アルカリ環境を保持することが確認されました 。詳細はこちらをご覧ください。
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人工降雨試験および酸性雨模擬試験の結果、改良土内部は50~160年程度、高アルカリ環境を保つことを確認した。
 

分解しないボンファイバー

1. 第三者機関による現地確認
平成14年にボンテラン工法で施工した現場において、技術審査証明委員会(委員長:東京大学・山富二郎教授)による現地確認が行われ、改良土の内部状況が調査されました。
その後も定期的に現地調査が行われましたが、ボンテラン改良土のボンファイバーは約15年間全く劣化しておらず、改良直後とほぼ同じ状態で繊維質系泥土改良材「ボンファイバー」(古紙破砕物)が存在することが確認されました。
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2. ボンファイバーの生分解性試験
ボンファイバーの主成分である「セルロース」は、土中の糸状菌等が分泌する「セルラーゼ」によって分解されますが、この糸状菌の好適範囲は約pH4〜6です。そこで生分解性試験を実施した結果、試料のpHを9.5以上の高アルカリ状態に保つことでボンファイバーの分解を抑制できることを確認しました。詳細はこちらをご覧ください
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